Rliaちゃんを作った話

(この記事には画像が複数存在します、メッシュの画像が苦手な人はご注意ください。)

 

こんにちは、Rliaです。

 

Rliaちゃんができました。

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素体をフルスクラッチで作成し、

帽子、パーカー、スカートはBoothで配布・販売されているものを使用している。圧倒的感謝。

3Dモデル - Parker - アングラの子のパーカー

 https://booth.pm/ja/items/1577518

P_Store_series_06(VRC想定衣装セット)Ver1.1

https://booth.pm/ja/items/1653183

 パンクな猫耳キャスケットv2(DynamicBone入り・テクスチャ差分6色)

 https://booth.pm/ja/items/1455884

 

かわいいですね。 

 

(以下、制作過程です。)

 

そうだ、Rliaちゃんを作ろう。

 

VTuberやVRChatの流行りが強く感じられるようになった2018年夏、

メイプルストーリーアメーバピグなどを通してアバター文化が大好きな私はVRChatの世界に、もとい3Dの体を得たい気持ちが爆発した。

 

作るからには完全に1から作ってオリジナル感を全開にしてやろうと思い、詳しいご学友がいたことも加わってBlenderで制作することを決意。

 

(結局このご学友には大変大変お世話になりました。これからもお世話になると思います。。。)

 

ところでBlenderなんてソフトウェアは使ったこともなく、モデリングなんてもちろん何もわからない。そこで以下の動画をお勧めしてもらった。

 

 

Twitterとかを見ると、どうやらこの動画をみてBlenderを触り始める人は結構多いらしい。そしてみんなとても良さげにできている。

 

動画を見るとBlenderで必要となる操作を解説して、必要なものも提示してくれている。なるほど。

 

動画に習って下絵を用意して、顔からメッシュを作り始めてみる。

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ほ~~~うなるほど。これなら俺にもできるぞ!!!

よーし

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は?なんだこれは。

真正面から見て作業し続け、ふと横から見ると何か違和感が凄い。スカルプトなんちゃらで修正しようとしたらもっと変になった。

必死に修正して少しはましになった。

 

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画像を見るとメッシュの大きさがかなりまちまちで形も何か5角形以上になっている部分があることが見える。

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特にループカットの操作をしたときに参考動画と同じようにカットされず、ひたすらカットするうちにこんなことになってしまった。

 

そんなメッシュをスカルプトでモキュモキュした後、メッシュが悲惨なことになっていたことは伝わる人には伝わるだろう。

 

ちなみに前述したzen様のワニでもわかるゼロからのBlenderは途中で更新がが途切れており、この後はどうすればいいんだ~状態の私には次のWebサイトをお勧めしてもらった。

 

かんたんBlender講座

http://krlab.info.kochi-tech.ac.jp/kurihara/lecture/cg/BlenderWeb_Hayashi/html/index.html

 

なるほど。どうやらこのサイトには必要な手順が最後まで載っているらしい。

…。

 

特にいちいちスクショは撮っていないので伝わらないのだが、ほぼ全ての手順で躓いたと思う。とてもしんどかった。普通に精神を病んだ。

どうやら本当に才能がないらしい。それかBlenderに拒絶されている。

 

Blenderのショートカットキーは豊富に存在し、おそらくとても便利に使うことができる。

 

何が言いたいかというと、ひたすら暴発しまくったらしい。

何か間違ってキーを押したとき、大体知らないうちに知らないことが起きている。

 

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例えばこういう風に謎の頂点が無限に存在した。ほとんどは重複頂点の削除という操作で消すことができたが(めっちゃ消えた)、このようにいたるところに点が漂流しているのである。

 

あとはキーを一度押しただけで、Ctrl+Zを2回必要とする操作が行われるショートカットが普通に存在して困った。

 

顔は本当に地獄だった。

身体は比較的簡単に取り組むことができた。もちろんしんどかった部分はあるが、他の部位に比べればまだましだった。

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また地獄、髪の毛である。

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めちゃ時間かけてこれ、これは何?

髪の毛には見える、見えるが、私が目指すものとはほどほど遠い。

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メッシュを消すとより違和感が鮮明になる。これは困った。

ここで天啓、どうやらNURBSパス・NURBS円を使うと髪の毛っぽいメッシュを生成できそうなことが分かった。(参考にしたWebサイトを見失った。。。。)

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さっきよりかは最終的に揺れる髪の毛として成立している姿が想像できた。とりあえずこの方法で進めてみる。

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頭の頂点にあたる部分で髪の毛のメッシュを全部繋げてかなりの時間をかけて形を整えてみた。どうしてもメッシュが食い込んだりするがもうこれが限界である。髪の毛の後ろが長かったり、横から何か伸びてたりするのは形を良く見せるために行っているつもりである。

NURBSで作ったメッシュはポリゴン数が爆発していてそのままでは使えなかったので、ポリゴン数削減をしてみた。後々UV展開で地獄を見るとも知らずに。

 

さてここまでできたら色を付けて見てみたい。UV展開というものを行って、メッシュと画像の対応づけを行うようである。そのためにはシームというものつける必要がある。

要は立体のどこにハサミを入れて平面に切り開くかを決めるということである。牛乳パックをたたむような。

 

かんたんBlender講座で使われているモデルとはだいぶモデルのメッシュ数から構造まで異なっていたため、「どこにシーム付けすればええんや…」と思いながらおおよそ同じ位置に入れてみた。結果。

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レッツUV展開!ズドン!

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地獄n回目。全然まともにできてない。シームが正しくつけれてないことでUV展開したときに全部切り開けてないらしい。これはメッシュが散らかっていることも影響している。UV展開できている部分も悲惨な感じだ、わけのわからんパーツに分離して展開されているように見える。ねこますさんのモデルがいかに素晴らしいUV展開が行われているかこのへんで理解することができた。

 

とりあえずもうひたすらシームを付けてUV展開を終わらせたい、この地獄から逃れたい一心でシームをどんどん追加した。

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よし、色付けるぞ!

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このメッシュどこ????を判別するために色を塗ってBlenderで確認を繰り返す。ゴミみたいなメッシュがとっ散らかっているのがわかる。開かれたメッシュも変な形をしている、マテリアルをいじることが全く考慮されていない開き方である。

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髪の毛なんですよ、これ。

どれがどこの髪の毛なのか判別するために色分けをしてレイヤーを分けて、う~~~~~~~~んという感じ。メッシュが等間隔ではないことが確認できるが、こういうところもマテリアルの編集の手間を爆発させている。

 

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この時点で2018年12月24日。

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この時点で2018年12月27日

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この時点で2018年12月28日。どうやらウェイトを付ける作業をしていたらしい。ウェイトとはボーンとメッシュの対応付けである。

髪の毛であればこのボーンが揺れることで対応した髪の毛が揺れる。

身体であれば骨格と筋肉が対応するように対応するメッシュを指定していく。

身体のメッシュについてはMixamoを使用してつけることができた。Mixamoの存在はご学友に教えてもらった。大幅に工数が削減できたことになる。

 

Mixamo

https://www.mixamo.com/

 

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なぜか指にあたるボーンだけ設定されなかったのでここは自分で設定する必要があった。ここだけでも地獄。ウェイトペイント死すべし。あとなぜかMixamoでついたボーンが全部上を向いていてなんかおかしい。けどウェイトペイントはしっかりついていて凄い。

 

この後はUnityにモデルをインポート、VRChatへアップロ―ドを行う。しっかりUpperChestで躓いたのち、31日にはアップロードまで漕ぎつくことができた。

 

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こうしてRliaちゃんはVRChatに存在することに成功した。なんとか2018年ぎりぎりに。

 

が。この画像に映っている手の違和感。

手の違和感を筆頭にVRChat上で動かしたモデルには多くの違和感があった。

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納得がいっていたのは顔と髪の毛くらいで、他の部分については正直微妙と感じてしまっていた。こんなに地獄を見た結果がこれである。

加えてリップシンクや表情などのオプションもまだ全然手が付けられていなかった。

 

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しっかりBlenderアレルギーを発症した私は2019年2月にシェイプキーに手を出し始めた。とりあえず半目もとい"まばたき"を実装したかったためである。口の形のシェイプキーも用意してリップシンクが動作するようにした。

 

が。手のウェイト問題については全く解決せず。ここで一度3Dモデルいじりからは手を引いた。

 

時は2020年。リモート需要が爆発し、3Dモデルを使用したZoom参加のような使い方がされるようになってきたために「モデルちゃんと改修するか…」のお気持ちに。

 

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これが諸悪の根源である。

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ご学友に相談する私の図。本当に助かっている。これ伸びてるの親指なんだぜ?信じられるか??

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結局原因はわからなかった。そもそもボーンのつけ方はキツネツキさんの右近ちゃんを参考にして作業したため、おおよそウェイトペイントは正しくついているように見えるからである。

 

何もわからん、詰みか???と思っていたところ、ご学友のモデルにはmixamo_と名前が付いた指ボーンが存在した。どうやら通常Mixamoで手のボーンまでつくらしい。そもそも私のモデルのようにボーンが縦を向いたりすることもないらしい。

 

なんで??????

 

そうと分かればもう一度Mixamoに突っ込んでみる。

 

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は?ついたやんけ。しかもボーンがちゃんと横向いてる。

過去何が起こっていたのか納得いかないが、手の問題はだいぶ解決できた。

 

 

このモデルに後から髪の毛のモデル(ウェイトが既についているため)をマージして一つのモデルにするのもまぁしんどかったが何とかなった。無事に人型として成立した気がした。

 

このころにはvketのようなイベントが既に活発に行われており、オリジナル3Dモデルに加えて、帽子や眼鏡のような装飾類の3Dモデルも販売されている状況だった。そこでそれらをモデルに引っ付けることで手早く見映えを良くできるだろうという結論に至った。もう自分でメッシュを追加したくないからである。

 

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どうしたってUnityをいじっている時間はめんどくさいけどBlenderよりかはいささかましである。そうして無事に見かけだけは自分の納得のいくところまで持っていくことができた。

 

しかしこの手のものは次々課題が出てくるものである。

https://hub.vroid.com/characters/6362491605279626730/models/1798865486387181524

 

VRoidHub上でも分かる通り、常にスカートを足が突き抜けたりする。パーカーの大きさがあってない。パーカーと手の対応付けがおかしいので、ソフトウェアによっては袖から手が出てしまう。顔のメッシュに対して光が当たったときに、特に横からの光に対して口元の影がとても良くない。表情のバリエーションが少ない。etc...

 

基本的に着せ替えのような作業にはメッシュを削除するのが一般的だが、私の場合は実施しておらずそのまま上からかぶせているためしっかり対応する必要がある。

 

しかしまぁ、一定以上のクオリティまで持ってこれたという事実から昨年よりかは前向きに考えることができる。おしゃれしてるイケメンとか美少女ってのはこんな気持ちなんだろうか、素体が良いともっとかわいくしたいと思えてくるものである。

 

ただやっぱり、モデリング周りについては自分はやっぱり向いていないのは明白でしかない。